牡蠣が出荷されるまで

養殖

瀬戸内の恵みと豊かで厳しい自然に向き合って、足掛け3年。
我が子のように守り育てる広島牡蠣。


牡蠣がどのようにして養殖されているかご存知ですか?
牡蠣は、大野瀬戸の豊かな海で我が子のように慈しみ、手間ひまかけて育てています。
皆様方に食されるまでに大きく育つには、3年の月日がかかります。 牡蠣の卵を採る「採苗」から出荷まで、牡蠣の養殖・加工の様子をご紹介します。

1年目

5〜6月頃殻通し

牡蠣の幼生(卵)を採るための準備をはじめます。ホタテ貝の殻と2センチほどのプラスチックの管を、交互にワイヤーに通していきます。
これは採苗器(さいびょうき)といい、海中に吊るして牡蠣の幼生を付着させるものです。

牡蠣の幼生は、ホタテ貝の殻が泥や海草などで汚れると付き難くなるので、牡蠣の産卵が始まった時期を見極めて海中に入れなくてはいけません。
採苗器は海上のいかだに運ばれて、牡蠣の産卵の日を待ちかまえます。
殻通しの様子

殻通しの作業

完成した採苗器

完成した採苗器(さいびょうき)

採苗器を船で牡蠣いかだへ

採苗器を船で牡蠣いかだへ

牡蠣いかだの上の採苗器

牡蠣の産卵を待ってスタンバイ

6〜9月頃採苗(さいびょう)

牡蠣の採苗の様子

牡蠣の採苗の様子

親牡蠣は5月頃から卵を持ち始め、6月〜9月ごろに一斉に産卵します。産卵後20日位たつと受精し幼生となり海水中の浮遊物に付着します。
そこでこの時期に牡蠣いかだにつるした採苗器(ホタテ貝の貝殻)を海中に入れておくと幼生(280〜380ミクロン)がこれに付着します。カキの赤ちゃんの誕生です。

このように幼生を付着させることを採苗(自然採苗)といいます。この採苗は400年前から変わる事のない方法ですが、これが難しい。
採苗の時には、何回も試験的に採苗器をぶら下げて、できるだけ種が多い時期・場所を見つけます。時には採苗する海域まで、船でいかだを引いて10時間程度移動することも。

採苗次第で穫れ高が変わるだけに、気が抜けません。毎年、1年生の気持ちです(笑)。
採苗から2週間ほど経った牡蠣

採苗から2週間。牡蠣は数ミリほどの大きさになります。
ルーペで見ると、小さいながら牡蠣の形になっているのが分かります。

6〜9月頃抑制

採苗した牡蠣の幼生を、沿岸の干潟にある抑制棚(牡蠣ひび)に約一年ほど吊るします。これを抑制といいます。

沖合いで採苗した稚貝はまだ小さく弱いため、1ヶ月ほどかけて少しずつ環境に慣らしながら採苗した海域から抑制を行う浅瀬へ、さらに干潟へと移動して行きます。

抑制棚は、干潮になると海中から出て空気に触れます。これは環境変化に強い種苗を育てるためのもので、厳しい環境を与えることで強い牡蠣を育てるわけです。人間の子育てと同じですね。
宮島西岸の干潟にある牡蠣の抑制棚

宮島西岸の干潟にある抑制棚。干潮になると空気に触れる牡蠣とっては厳しい環境で、強い牡蠣が育ちます。

2年目

4〜6月頃本垂下(ほんすいか)

浅瀬の抑制棚で1年を過ごした牡蠣を、2年目には海に移して育てます。本垂下(ほんすいか)という作業です。
抑制棚から取り上げたホタテ貝の貝殻(これに牡蠣の赤ちゃんが沢山育っているわけです)を1枚ずつ7〜8寸(21〜24センチ)間隔で長さ約9mの針金に通し替えて養殖用の垂下連というものを作り、皆さんご存知の牡蠣いかだに吊るします。

1台のいかだに使われる竹は約130本。60坪(198平方メートル)の家とほぼ同じくらいの大きさです。ここに774本の垂下連が吊るされています。
1年目の牡蠣

ホタテ貝の上側に2cmほどの牡蠣が数個ついています。

通し替えの様子

垂下連を作る、通し替えの作業。

完成した採苗器

通し替えの作業は海上で行います。

完成した垂下連

垂下連は全体で約9mほど。

2〜3年目

育成

牡蠣の育成が行われる大野瀬戸は、世界遺産・宮島や中国山地の原生林から染み出す天然の栄養分が清流に運ばれ、牡蠣に必要な良質で豊富なプランクトンをもたらす豊かな海です。

牡蠣いかだに吊るされた牡蠣は、生育の様子や気候、海の状態により沈める深さやいかだの場所を変えながら、大切に育てられます。良い牡蠣を提供するために、海上での作業が続きます。

5〜7月頃手下げ

夏に活発に繁殖するせと貝(ムラサキイガイ)やフジツボなどの有害な生物が牡蠣に付くのを避けるため、また表層の高水温を避けるために、牡蠣を吊り下げる作業を行います。これが手下げです。

9〜10月頃手上げ

秋になり海水温が下がり有害な生物が減ってきた頃、牡蠣のえさとなる植物プランクトンが多い水面近くに垂下連を引き上げます。この作業を手上げといいます。
この頃には牡蠣が成長し、垂下連は数十kgにもなっています。手上げ・手下げの際、垂下連は船のクレーンで海中から持ち上げますが、いかだに垂下連のワイヤーを結びなおすのは手作業。牡蠣いかだの上に屈んで行う重労働です。
手下げ作業の様子1 手下げ作業の様子2

手下げ作業の様子

牡蠣いかだ

牡蠣いかだは60坪の家とほぼ同じくらいの大きさ。

牡蠣いかだ海中の様子

1台のいかだに774本の垂下連が吊るされています。

牡蠣いかだ海中の様子

殻付き牡蠣は3年目の9月頃から籠に分けて育てます。

本垂下から2ヶ月頃の牡蠣

本垂下から2ヶ月(7月頃)。約4cmほどになりました。

本垂下から3ヶ月頃の牡蠣

本垂下から3ヶ月(8月頃)。少しずつ身がふっくらしてきました。

本垂下から11ヶ月頃の牡蠣

本垂下から11ヶ月(翌年3月頃)。約5〜6cmになり、身がしっかり太っています。

3年目 10月頃〜

収穫

3年目の10月から11月になると、さぁ待ちに待った収穫が始まります。
牡蠣いかだに吊るされた垂下連はこの頃には1本の長さ約9m・重さ200kgにもなっているため、船にクレーンのような長い柱を立てウィンチで巻き上げ収穫します。
牡蠣をウインチで引き上げ

牡蠣の収穫の時には、重みで船が少し傾くことも。

牡蠣の収穫

垂下連のワイヤーを切って牡蠣を船に積み込んでいきます。

浄化

収穫された牡蠣は殻のまま洗浄機で洗い、泥や付着生物を取り除きます。
さらに滅菌した海水を満たした浄化プールに20時間程度置いて、牡蠣のお腹の中まできれいにします。
浄化プール

汚れを洗い落とした牡蠣を浄化プールへ。

牡蠣の浄化

滅菌海水を循環させながら、20時間浄化します。

加工(牡蠣打ち)

浄化を終えた牡蠣は、打ち子さんが1個ずつむき身にします。牡蠣の身を傷つけて鮮度を落とさないよう素早く慎重に殻を剥きます。熟練の技で殻を剥かれた直後の牡蠣は、心臓が動く様子が観察できるほどです。
むき身は滅菌海水や清浄海水でよく洗い、その日のうちにお客様に発送します。
牡蠣打ちの様子

打ち子さんが1個ずつ牡蠣をむき身にします。

牡蠣打ちの様子

大きな牡蠣も小さな牡蠣も丁寧に殻を剥いていきます。

3年目の牡蠣

3年目の牡蠣。貝柱の下の灰色の部分が心臓です。

以上が皆様に食していただくまでの簡単な説明です。
私は、皆様に安心して美味しい牡蠣を食していただくために家族や打ち子さんと協力して毎年々試行錯誤を繰り返し50年経ちました。
これからも毎年毎年が牡蠣養殖の一年生という気持ちで、大事に広島の牡蠣を育てていきます。

「収穫までに3年かかる。うまい牡蠣のためにはずっと努力が必要やね」

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